お役立ち!コラム

2015.09.18

貸借対照表(バランスシート)で会社の健康状態を知りましょう ―後編「症状別パターンの例示」―

貸借対照表(バランスシート)は、会社の一定時点(月末や期末)における財政状態を表したもので、そこから企業の健康状態(健全な会社かどうか)が分かります。

前編「大局をつかむ」に続いて後編の今回は、会社の健康状態が損なわれていることが分かる「症状別パターンの例示」を見ていきます。このような症状には要注意です。

症状1:固定資産が過大


 固定資産が〔固定負債+自己資本〕を超えて大きくふくらみ、それに伴って流動負債が流動資産を大幅に上回っています。資金繰りの悪化が懸念されます。
 

【考えられる原因】
多額の設備投資を、短期借入金で調達している。

(1年超で資金回収される固定資産は、1年超で支払う固定負債と返済不要の自己資本でまかなう必要があります。)

 【治療方法()
遊休資産の売却や短期借入金の長期借入金への変更。

症状2:売上債権が過大


 売掛金などの売上債権が大幅に増加しています。資金繰りの悪化が懸念されます。
 

【考えられる原因】
(1) 売上のみを重視し、売掛金の回収をおろそかにしている。
(2) 回収可能性がない売掛金(不良債権)が処理されていない。
(3) 売掛金の回収サイトが長くなっている取引先がある。

(売上の急激な増加により、一時的に売上債権が増加する場合もあります。) 

【治療方法()
得意先別の売掛金管理の強化。

症状3:たな卸資産が過大

たな卸資産が必要以上に増えています。資金繰りの悪化が懸念されます。 

【考えられる原因】
不良在庫や回転率の悪い商品の増加、過剰在庫品など、在庫管理をおろそかにしている。

 たな卸資産は、〔商品仕入→売上→売掛金の回収〕と資金の回収に時間がかかりますので、必要以上の在庫は資金繰りを悪化させます。 

【治療方法()
不良在庫の処分や在庫管理の徹底、月次たな卸の実施。

症状4:多額資金の調達・運用が不明瞭

 内容の不明瞭な多額の資金調達・運用が発生しています。 

【考えられる原因】
資金繰りの悪化や、経営者の公私混同のため、資金の出入りが不透明になっている。

(ただし、金融機関からの借入が困難となったため、役員借入金が増加しているケースも考えられます。) 

【治療方法()
長期滞留している役員借入金の資本金組み入れや債務免除を検討。

症状5:債務超過

 負債合計が資産合計を上回っていて「債務超過の状態」といいます。企業としての存続が危惧されます。 

【考えられる原因】
(1) 上記の症状1~4のような症状を治療せずに放置してきた。
(2) 赤字決算が続いている。  

【治療方法()
経営全般の見直しが必要。経営計画を作成・実行する。



 自社の健康状態はいかがでしょうか?

 症状があれば放置せずに『治療と体質改善』を行って健康体を目指しましょう。