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2015.09.03

消費税の簡易課税制度における「みなし仕入率」の見直し注意点

平成263月に消費税法施行令等の一部が改正され、平成2741日以後に開始する課税期間から適用されています。当事務所でも2014年8月4日付のコラムで詳しく掲載しておりますが、今回はその復習も含めまして、注意事項等をご案内したいと思います。

1.みなし仕入率改正の概要

平成2741日より、簡易課税制度のみなし仕入率が

  ・金融業及び保険業が、第四種事業から第五種事業へ【みなし仕入率60% ⇒ 50%】
  ・不動産業が、第五種事業から第六種事業()へ    【みなし仕入率50% ⇒ 40%】

 と改正されていますが、経理処理はスムーズに進んでいますか?

2.経過措置の内容

  平成26930日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、平成2741日以後に開始する課税期間であっても、その届出書に記載した「適用課税期間」の初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間簡易課税制度の適用をやめることができない期間については、改正前のみなし仕入率が適用されます。

3.簡易課税制度の改正による影響

 みなし仕入率の改正による消費税額の違いを簡略に計算してみます。

《不動産業を営む事業の場合》

  年間の不動産収入が25,000,000(税抜)

(1) 平成27年3月以前の課税期間(みなし仕入率50%)

 売上に対する消費税額  25,000,000×8%=2,000,000
みなし仕入率の仕入税額 2,000,000×50%=1,000,000
納付税額  2,000,0001,000,0001,000,000

(2) 平成27年4月以降の課税期間(みなし仕入率40%)

売上に対する消費税額  25,000,000×8%=2,000,000
みなし仕入率の仕入税額 2,000,000×40%=800,000
納付税額  2,000,000800,0001,200,000

  上記計算により納付額が1,200,0001,000,000200,000の増加になります。 

「みなし仕入率の改正」による見直しにより、簡易課税から本則課税に変更した方が有利な場合は、変更する課税期間の前日までに『消費税簡易課税制度不適用届出書』の提出が必要ですので、早めの試算をお勧めします。

4.対価の返還等の処理

 平成273月以前の売上について平成2741日以後開始課税期間中に対価の返還があった場合この対価の返還等の金額は、改正前・改正後どちらの業種区分で処理するのか疑問に思うところですが、業種区分の見直しによる経過措置は特段設けられていないことから、売上対価の返還時における業種区分に基づいて処理をすることになるとのことです。〈参考:週刊税務通信 No.3369 



 平成27年度税制改正により、消費税率及び地方消費税率の8%から10%への引上げ時期が平成29年4月1日とされました。今後も経過措置等の注意事項が出てまいりますので、当事務所では適時にご報告をしていきます。