お役立ち!コラム

2015.05.20

美術品の減価償却の取り扱いが変わりました!

今回は、美術品の減価償却資産としての取り扱いの変更についてとりあげます。

先日、有田陶器市(今年は4/295/5日開催)に行ってきました。約200店のお店が並び多くの観光客や仕入業者の方でにぎわっていました。それでも、年々、陶器市の観光客数は減少しているみたいです。

学生時代の友人の窯元を久しぶりに訪問して、展示のお皿を物色してみると、直径30cmくらいの白磁のお皿が2,700,000円となっていました。数字に強い私ですが、3回金額を確認しました(笑)

私は、絵画や陶器のことは全くわかりませんが、美術品にご興味ある社長や事業主にとっては、今回の減価償却資産の取り扱いの変更は朗報です。 

適用は平成27年1月1日以後開始年度から

減価償却資産は、建物、機械装置、器具備品等の資産で、事業供用していないもの、時の経過によりその価値が減少しないものは除かれます。

したがって、美術品については「時の経過によりその価値が減少しないもの」に該当するため、これまで減価償却資産から除かれていました。書画骨とうに該当するか明らかでない美術品については取得価額が20万円未満のものだけが償却可能とされていました。

現行 … 取得価額が20万円未満のものだけが償却可能

改正前の通達では、美術品等の判断基準として以下のものが示されています。(法基通7-1-1等

1)書画骨とうは原則、減価償却資産に当たらない

2)「古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの」は、書画骨とうに該当

3)「美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等」は原則、書画骨とうに該当

4)書画骨とうに該当するかどうかが明らかでない美術品等でその取得価額が120万円(絵画にあっては、号2万円)未満のものについて、減価償却できる

これらの内容は一種の外形基準として示されていたものですが、通達発遣後30年余を経過し、美術品等の多様化や経済状況の変化等によって、この通達による基準での判断と、減価償却できる美術品等の範囲がその取引実態とは乖離してきたとし、書きぶりも含めて内容を改正しています。

改正後 … 価値減少が明らかであれば100万円以上でも償却可能に

改正後の通達では、美術品等について

1)古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの

2)1)以外の美術品等で取得価額が1100万円以上であるもの』に当てはまらないもの

は減価償却資産に該当し、償却費を損金算入することができるようになりました。

これにより、美術品等について、価値の減少しないことが明らかなものを除いて取得価額が1100万円未満であるもの等が、減価償却資産として取り扱われます。

ここで注意を要するのは、取得価額が100万円未満であっても「時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの」については減価償却資産とならないことです。(次表参照)

美術品等の減価償却資産の該当性の金額基準等
 取得価額  減価償却資産と扱われるもの
 100万円以上  時の経過でその価値が減少することが明らかなもの
 100万円未満  時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの以外

改正法人税基本通達等の適用は、法人税については平成2711日以後開始事業年度で有する美術品等から、所得税については平成27年分以後の年分において個人の有する美術品等から適用されます。

耐用年数は何年?

一般的な絵画や彫刻など装飾品とされる美術品等の耐用年数は、別表第一の「器具及び備品」の「12 前掲する資産のうち、当該資産について定められている前掲の耐用年数によるもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」に該当し、主として金属製のものであれば15年、その他のものであれば8として扱われます。

(税務通信No.3354参照)