お役立ち!コラム

2015.05.01

個人住民税は特別徴収(給与天引き)で納付しましょう

事業主(給与支払者)は、全ての従業員の給与から個人住民税を特別徴収(給与天引き)により納める義務があります。今回は個人住民税における『特別徴収』についてご説明していきます。

個人住民税とは?

個人住民税とは、市町村民税と道府県民税を合わせた地方税のことをいいます。

住民税は、私達の日常生活に身近な関わりを持つ県や市の仕事のための費用を、住民がその能力に応じて分担しあうという性格の税金であり、いわば住民として暮らしていくために支払う会費のようなものといえます。

個人住民税の徴収方法

個人住民税の徴収方法には、普通徴収特別徴収2種類があります。

普通徴収

納税者が直接、市区町村へ税金を納める方法です。普通徴収では、市区町村は確定申告書や源泉徴収票に記載された所得金額をもとに住民税額を算出し、納税通知・納付書を個別に納税者に送付します。

それを受けて、納税者は一括または年4回(6月・8月・10月・翌1月)に分けて、市区町村に直接納付します。

特別徴収

事業主が所得税の源泉徴収と同じように、従業員(納税義務者)に代わって、毎月従業員に支払う給与から個人住民税を引き去り(給与天引き)納入する制度をいいます。 

会社や個人が人を雇って給与や報酬を支払う場合は、その支払の都度、支払金額に応じた所得税を差引くことになっています。この所得税を差引いて国に治める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。

所得税の源泉徴収義務のある事業主(源泉徴収義務者)特別徴収義務者として、法人・個人を問わず、全ての従業員について、個人住民税を特別徴収する必要があります。(地方税法第321条の4

【特別徴収制度のしくみ】


出所:総務省・全国地方税務協議会「事業主のみなさん 個人住民税は特別徴収で納めましょう」

特別徴収の手続きの流れ

特別徴収の基本的な手続きの流れは次のとおりです。

1.給与支払報告書の提出

毎年11日現在において給与の支払をしている事業主所得税の源泉徴収をする義務のある事業主は、131日までに「給与支払報告書」を、給与の支払を受けている人の11日現在の住所地の市町村に提出する必要があります。また、年の途中に退職した人についても提出する必要があります。

※ 給与支払報告書はeLTAX(エルタックス)によりパソコンから電子申告できます。(一部利用できない市町村があります。)eLTAX(エルタックス)に関する情報はこちらのホームページをご覧ください⇒ http://www.eltax.jp

出所:総務省・全国地方税務協議会「事業主のみなさん 個人住民税は特別徴収で納めましょう」

2.特別徴収税額決定通知書の送付

個人住民税の徴収期間は、6月から翌年5月までの12か月間です。毎年531日までに、従業員(納税義務者)の住所地の市町村から事業主(特別徴収義務者)宛に、

  ○ 特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用・納税義務者用)

  ○ 特別徴収関係綴(各種様式)
  ○ 特別徴収納入書綴

が送付されます。このなかに年税額と月割額が記載されていますので、6月の給料から特別徴収(給与天引き)を開始します。

3.納期と納入方法

● 納期限は、月割額を徴収した月の翌月10日です

例えば、6月分の納期限は710日ですので、6月中に支払われる給与から天引きを行います。10日が土、日または祝日の場合は、その翌営業日となります。

 特別徴収税額の決定・変更通知書(特別徴収義務者用)に記載されている従業員の税額を給与から天引きし、その合計額を市町村から届いた納入書にて、金融機関に納入します。

● 納期の特例(年2回納入)もあります

特別徴収税額の納入の原則は12回の毎月納入を基本としていますが、給与の支払いを受ける人が常時10人未満の給与支払者で、「市・県民税特別徴収税額の納期の特例に関する申請書」を提出し、承認を受けた場合には、特別徴収税額のうち、6月分から11月分までを1210日まで、12月分から翌年5月分までを翌年610日までの年2に分けて納入することができます。

税額の変更通知

 従業員の期限後申告、給与支払報告書の訂正、所得・控除内容の調査結果により通知済の特別徴収税額に変更が生じた場合は、市町村から特別徴収税額変更通知書が送付されますので、通知された変更月から徴収税額を変更します。

出所:熊本市役所 課税管理課「個人住民税 特別徴収の事務手引き」

退職・休職者の徴収方法

● 61日から1231日までに退職等をした場合

 特別徴収できなくなった残りの税額は、普通徴収へ切り替え後、個人に納付してもらいます。なお、利便性と納税の円滑化を考慮し、納税義務者の申し出又は了解を得て、退職時に支払をする給与または退職手当から一括徴収して納付することもできます。 

● 11日から430日までに退職等をした場合

 この期間については、地方税法の規定(地方税法第321条の52項)により、特別徴収できなくなる税額は、本人の申し出がなくても、531日までの間に支払いをする給与または退職手当等から一括徴収することになっています。

異動届などの提出

退職・休職及び転勤等による異動があった場合は、その事由が発生した日の属する月の翌月10日までに市町村に異動届を提出することになっています。

なお、異動届の提出が遅れると、退職者、休職者及び転勤者等の税額が特別徴収義務者の滞納額となり、普通徴収への切替え処理が遅れ、納税義務者に対し一度に多額の住民税の納入義務を負わせてしまう可能性があるため、必ず厳守しなければなりません。

異動届を忘れることのないように、「退職時のチェックリスト」を作成することをおすすめします。

退職所得に係る住民税の特別徴収

 退職所得に係る個人の住民税については、所得税と同様に、退職手当等の支払いの際に支払者が税額を計算し、退職手当等の支払金額からその税額を差し引いて納入(特別徴収)することになっています。     

納入すべき市町村は、退職手当等の支払いを受けるべき日(通常、退職した日)の属する年の11日現在における住所地の市町村です。徴収した月の翌月10日までに「市民税・県民税特別徴収納入書」にて納入します。



 これらに関するご質問等ございましたら、お気軽に井手税理士・総合会計事務所へお問い合わせください。


《参考リンク》

総務省・全国地方税務協議会 個人住民税は特別徴収で納めましょう
http://www.zenzeikyo.jp/ippan/koho/kobetu_koho/tokubetuchousyu/

熊本市財政局 課税管理課 給与所得者の納税は特別徴収で納めましょう
http://www.city.kumamoto.jp/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=2015&class_set_id=3&class_id=552