お役立ち!コラム

2014.11.20

年末調整の準備を始めましょう!

今年も年末調整を行う時期になりました。皆様の手元にも、年末調整に必要な保険に関する控除証明書等が自宅に届いている頃ではないでしょうか?

今回は、年末調整に関する基本的事項及び注意点についてご説明します。

年末調整って何?

年末調整とは、給与の支払を受けている人(会社員・パート・アルバイト等)について、毎月の給与や賞与から天引きされる所得税を精算する手続きのことです。

給与の支払者は、毎月の給与の支払の際に「源泉徴収税額表」により所得税及び復興特別所得税の源泉徴収をすることになっていますが、その源泉徴収した税額1年間の合計額は、給与支払いを受ける人の年間の給与総額に対する年税額と一致しないのが通常です。

その原因は以下の3点になります。

1)源泉徴収税額表は、年間を通して毎月の給与額に変動がないものとして作成されているが実際は給与に変動があること。

2)年の中途で扶養親族等に異動があっても、その異動後の支払分から修正をするだけで遡及して修正を行わないため。(年末の現況を基準に計算)

3)配偶者特別控除、生命保険料、地震保険料控除などは年末調整により控除する事とされているため。

このような不一致を精算するために、1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき税額を計算し、それまでに徴収した税額と差額を徴収又は還付することが必要になります。この精算手続きが年末調整なのです。

平成25年分の所得税から復興特別所得税が導入されています!

平成23122日に東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法が公布され、平成2511日から平成491231日までの間に生ずる所得から源泉徴収すべき所得税の額2.1%相当額が、復興特別所得税として源泉徴収されています。

給与所得の所得税及び復興特別所得税の仕組みは、次の図のようになっています。

出所:国税庁「平成26年版 給与所得者と年末調整」(平成26年9月)

年末調整による所得税の計算

年末調整では、いろいろな控除が差し引かれた上で所得税が計算されることになります。

出所:国税庁「平成26年版 給与所得者と年末調整」(平成26年9月)

次に掲げる1.~4.の控除を受けるためには、扶養控除等申告書、配偶者特別控除申告書又は保険料控除申告書を勤務先に提出する必要がありますので、年末調整の時までに忘れずに提出して下さい。

1.配偶者控除と扶養控除

年の途中で異動が生じた場合には「扶養控除等異動申告書」の提出が必要となります。

なお、配偶者控除や扶養控除の対象となるのは、給与の支払を受ける人(所得者と本人)と生計を一にする配偶者や年齢16歳以上の親族(いわゆる里子や養護老人も含む)のうち、合計所得金額が38万円以下の人です。ただし、給与所得だけの人は、その年中の給与の収入金額が103万円以下であれば合計所得金額は38万円以下になります。

※給与所控除の額は給与の額に応じて決められ、最低でも65万円が認められます。

例えば、65万円の給与をもらった人は【65万円‐給与所得控除(65万円)】となり所得は0円。逆に所得が38万円となるには【38万円+給与所得控除額(65万円)】となり給与が103万円となり、これがいわゆる「103万円の壁」となります。

・上記の合計所得金額には、遺族年金などの非課税所得、源泉分離課税が適用される利子、確定申告をしないことを選択した上場株式等の配当などは含まれません。

○ 老人控除対象配偶者とは年齢70歳以上の人(昭和2011日以前に生まれた人)をいいます。

○ 特定扶養親族とは控除対象扶養親族のうち、年齢19歳以上23歳未満の人(平成412日から平成811日までの間に生まれた人)をいいます。

○ 老人扶養親族とは控除対象扶養親族のうち、年齢70歳以上の人(昭和2011日以前に生まれた人)をいいます。

2.障害者等の控除

年の中途で異動が生じた場合には「扶養控除等異動申告書」の提出が必要となります。

3.配偶者特別控除

この控除を受けるためには「配偶者特別控除申告書」の提出が必要となります。 

なお、給与の支払を受ける人(所得者本人)の合計所得金額が1,000万円以下で、生計を一にする配偶者の合計所得金額が38万円超、76万円未満(所得が給与所得のみである場合には、給与の収入金額が103万円以超141万円未満)の場合にはその金額に応じて最高38万円が控除されます。

4.各種の保険料控除

これらの控除を受けるためには「保険料控除申告書」の提出が必要となります。

・旧契約とは、平成231231日以前に締結した保険契約等、新契約とは、平成2411日以後に締結した保険契約等をいいます。

・一般の生命保険料及び個人年金保険料の控除額の計算において、新契約と旧契約の両方を支払っている場合であっても、旧契約分のみ計算した場合の控除額(最高5万円)が、両方がある場合の控除額(最高4万円)よりも大きい場合には、旧契約分のみ適用を受けることにより、最高5万円の生命保険料控除を受けることができます。(この場合であっても、合計適用限度額は最高12万円です。)

5.(特定増改築等)住宅借入金等特別控除(税額控除)

 この控除を受けるためには「住宅借入金等特別控除申告書」等を勤務先に提出する必要があり、最初の年分については確定申告により控除の適用を受ける必要があります。 

給与所得者など(所得の金額が一定の額を超える人などは除かれる)が、一定の要件を満たす家屋の取得又は増改築等をして平成291231日までの間に自己の居住の用に供した場合において、一定の住宅借入金等を有するときは、一定の期間にわたり所得税額から住宅借入金等特別控除額が控除されます。(住宅を居住の用に供した年が、平成19年又は20年の場合は、確定申告時に控除期間等を(1)又は(2)から選択することになります。)

また、平成26年分の年末調整に適用される住宅借入金等特別控除の控除額は、居住の用に供した時期等に応じ、住宅借入金等の年末残高を基として、それぞれ次表により計算した金額となります。したがって、2年目以降、年末調整によってこの控除を受けるためには「住宅借入金等特別控除申告書」とともに、金融機関等が発行した「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」等を勤務先に提出する必要があります。

1.~5.図表の出所:国税庁「平成26年版 給与所得者と年末調整」(平成26年9月)

今年の注意点!!通勤手当の非課税限度額の引上げについて

平成261017日に所得税法施行令の一部を改正する政令(平成26年政令第338号)が公布され、通勤のための自動車等の交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。

この改正は、平成261020日に施行され、平成2641日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除く。)について適用されます。

改正後の1か月当たりの非課税限度額は、以下の通りです。

出所:国税庁ホームページ 通勤手当の非課税限度額の引上げについて

なお、課税済みの通勤手当についての精算は、改正後の非課税規定を適用した場合に過納となる税額を、本年の年末調整の際に精算することになります。

ただし、既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である人については、この精算手続きは不要です。また、年の中途に退職した人など本年の年末調整の際に精算する機会のない人については、確定申告により精算することになる点はご注意下さい。

具体的な年末調整の際における精算の手続きは、次のようになります。

A. 既に改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収をした(課税された)通勤手当のうち、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額を計算します。

B.「平成26年分給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿」(以下、「源泉徴収簿」という。)の「年末調整」欄の余白に「非課税となる通勤手当」と表示して、①の計算根拠及び今回の改正により新たに非課税となった部分の金額を記入します。

C.  また、源泉徴収簿の「年末調整」欄の「給料・手当等(1)」欄には、「給料・手当等」欄の「総支給金額」の「計(1)」欄の金額から(2)の新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の金額を記入します。

 A.~C.により、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額が、本年の給与総額から一括して差し引かれ、その差額後の給与の総額を基にして年末調整を行います。

出所:国税庁ホームページ 年末調整で精算する際の源泉徴収簿の記載例

最後に・・・

年末調整や確定申告で各種の控除を受けるには控除証明書などの書類の添付等が必要となります。控除証明書など控除を受けるのに必要と思われる書類はきちんと保管しておくようにしましょう!!



《参考リンク》

国税庁 平成26年分 年末調整がよくわかるページ
http://www.nta.go.jp/gensen/nencho/