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2014.09.20

小規模宅地等の特例の要件緩和について

これまでも、相続関係のコラムを数回、掲載してきましたが、平成2711日以後に相続または遺贈により取得する財産にかかる相続税の改正については要注意です。

基礎控除の引き下げや税率の見直しにより、相続税は増税となりますが、減税策も同時に盛り込まれています。その中で、注目しておきたいものが「小規模宅地等の特例制度」です。あと3か月で改正となりますので、その前に不動産対策として有効な当該制度をおさらいしておきましょう。

「父が所有していた住宅と賃貸アパートとその敷地を相続しました。特に敷地については、相続税が多額になってしまうのではないか?」という質問をよく聞きます。

当該敷地が小規模宅地等の(特例の)適用要件に合致すれば、相続税を計算するときの土地の評価が軽減されますので、その分相続税を少なくすることが出来ます。(措法694

この特例は、事業又は居住の用に供されていた宅地等のうち最小限必要な部分については、被相続人等(被相続人又はその被相続人と生計を一にしていたその被相続人の親族をいう)の生活基盤維持のため欠くことのできないものであり、かつ、その処分についても相当の制約を受けることを配慮して設けられている制度です。

このお得な制度ですが適用できるかどうかは、その宅地等の種類や利用状況、それを誰が相続するかによっても異なってきますので、適用要件の確認には注意が必要です。また、相続時精算課税制度を適用していた宅地等については、適用されませんので合わせて注意が必要です。

小規模宅地等の特例の概要

適用要件を満たす宅地等については、次の計算式により計算した金額が課税価額から減額されます。

限度面積要件の緩和(措法69の4(2))

 まず、特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積が330平方メートル(現行:240平方メートル)までの部分に拡充されます。

また、居住用宅地と事業用宅地の完全併用が可能となりました。(現行400平方メートル ⇒ 730平方メートル)

現行では、居住用宅地240平方メートルと事業用宅地400平方メートルの両方を限度一杯使うことは出来ず、両方合わせて400平方メートルまでの適用でした。これが、来る平成27年1月からは併用が完全に認められ、330平方メートル400平方メートルを合計した730平方メートルまで80%減額出来ることとなります。

計算式をまとめると下記のようになります。

(1)平成261231日までに開始する相続の場合

計算式・・・A+(B×5/3)+(C×2)≦ 400平方メートル

A:特定事業用宅地及び特定同族会社事業用宅地等の面積の合計
B:特定居住用宅地等の面積
C:貸付事業用宅地等の面積

(2)平成2711日以後に開始する相続の場合

 この特例を適用する小規模宅地等の種類が複数ある場合は、次に掲げるケースに応じて限度面積を適用することとなります。

 1)この特例を適用する宅地等に貸付事業用宅地等がない場合

計算式・・・A+B ≦ 730平方メートル

A:特定事業用宅地等及び特定同族会社事業用宅地等の面積の合計(400平方メートルまで)
B:特定居住用宅地等の面積(330平方メートルまで)

 2)この特例を適用する宅地等に貸付事業用宅地等がある場合

計算式・・・(A×200400)+(B×200330)+C ≦ 200平方メートル

A及びBは上記1)と同じ
C:貸付事業用宅地等の面積



 今回は小規模宅地等の特例の限度面積要件の緩和を中心に取り上げましたが、「この特例を適用できるかどうか?」「どの宅地等に適用した方が有利か?」など留意点がいくつかあります。この制度についてお尋ねがある場合は、井手税理士・総合会計事務所までご相談ください。