お役立ち!コラム

2014.08.27

その支出は本当に修繕費? ― 修繕費と資本的支出 ―

会社を経営する上で、会社が保有する店舗や機械などの固定資産の改装または修理にかかる支出が発生します。

このような支出には「修繕費」として費用計上を行うものと「資本的支出」として資産計上し減価償却を行う場合の2つがあり、定義によって区別するよう定められています。

修繕費か資本的支出かで変わること

修繕費と資本的支出の主な違いは、修繕費であれば一括で発生事業年度の損金になり、資本的支出に該当すれば減価償却資産として耐用年数で減価償却費を計上していくという違いがあります。

これらの違いによって発生する税額も大きく変わってきます。 税法において修繕費として損金算入できる範囲は決められています。税務調査で指摘を受けることが多い事項ですので注意が必要です。

修繕費と資本的支出の違いはどう判断すればよい?

 修繕費となるものと資本的支出となるものとを、それぞれ例をあげてみていきましょう。

1.修繕費

修繕費として損金に計上できるものは、1)通常の維持管理のための費用であること、2)毀損(きそん)した場合の原状回復に要した支出であること、という要件が必要です。

【修繕費の例】
 ○ 割れた窓ガラスの張り替えに関する費用
 ○ 排水管の修復費用
 ○ 機械の破損した部分を新しく修復する費用

2.資本的支出

資本的支出は、修繕のための支出金額が、1)その資産の使用可能年数を延長させた支出、または2)価値の増加の効果があるものを指します。

【資本的支出の例】
 ○ 毀損(きそん)した場合の原状回復を超えた部分の支出
 ○ 使用している機械を高性能にするための改造費用
 ○ 店舗の内装を取り除いて、すべて新しいものに作り替えるための改装費用

また、国税庁のHPにて挙げられている例も載せておきますと…

 1)建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額
 2)用途変更のための模様替えなど、改造又は改装に直接要した金額
 3)機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額を超える部分の金額

このようなものを判断材料とします。

修繕費か資本的支出か不明の場合

理論的には上記のものを判断材料としますが、実際のところ「修繕費か資本的支出どちらにすればいいの?」と、判断に苦しむ場合も少なくありません。

どちらで計上すればよいか不明な場合には、次のフローチャートを使って判断します。



 このような支出が修繕費であるか資本的支出に該当するか悩ましいところではありますが、税務調査においても指摘の多い事項です。
改装あるいは修理前・後の写真を撮っておく、その支出に関する資料を残しておくなどして、判断の根拠を明確にしておきましょう。

《参考リンク》

国税庁 基本通達・法人税法 第8節 資本的支出と修繕費
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_08.htm