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2014.08.04

消費税の簡易課税制度における『みなし仕入率』の見直し

平成26年度税制改正に伴い平成263月に消費税法令が改正され、消費税の簡易課税制度における『みなし仕入率』の見直しが行われました。

消費税の簡易課税制度とは

消費税の計算方法には「本則課税」と「簡易課税」の2種類があります。

本則課税制度

本則課税とは、売上高に対する消費税額から、仕入に対する消費税額を差し引いて消費税額を算出する方法です。

簡易課税制度

簡易課税とは、実際に仕入れた際に支払った消費税の額は考慮せずに、業種別に決められた『みなし仕入率』を乗じて消費税額を計算する方法です。基準期間の課税売上高が5,000万円以下であって、適用しようとする課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署へ提出した場合に適用されます。

簡易課税制度の改正の概要

今回の改正では、簡易課税制度における業種別のみなし仕入率の見直しが行われました。

金融業及び保険業…第四種事業から第五種事業へ(みなし仕入率 60%→50

不動産業…第五種事業から新たに設けられた第六種事業へ(みなし仕入率 50%→40

出所:国税庁「消費税法令の改正等のお知らせ」(平成26年4月)

適用開始時期

原則として、平成2741日以後に開始する課税期間から適用されます。

ただし、次の経過措置が設けられています。

簡易課税制度の改正に係る経過措置

平成26930日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、平成2741日以後に開始する課税期間であっても当該届出書に記載した「適用開始課税期間」の初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間(簡易課税制度の適用を受けることをやめることができない期間)については、改正前のみなし仕入率が適用されます。

出所:国税庁「消費税法令の改正等のお知らせ」(平成26年4月)

簡易課税制度についての注意点

・簡易課税制度の適用を受けると、2年間継続して適用した後でなければ適用をやめることはできません。

・適用を取りやめるには、適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を税務署に提出する必要があります。

・「簡易課税制度選択届出書」を提出している場合であっても、基準期間の課税売上高が5,000万円を超える場合には、その課税期間については、簡易課税制度は適用できません。



 今回の改正が影響する業種として身近なところでは、金融・保険業には保険代理店業が含まれ、不動産業では不動産賃貸業・駐車場業・不動産管理業・土地建物売買業・不動産仲介業などが該当します。簡易課税制度を選択している場合、みなし仕入率の引き下げにより消費税の納税負担増となります。

また、「外注が多い」など場合によっては本則課税の方が有利になるケースがあるかもしれませんので、あらためて両者の比較検討と確認が必要になります。井手税理士・総合会計事務所までお気軽にご相談ください。


《参考リンク》

国税庁 パンフレット・手引き 消費税法令の改正等のお知らせ(平成26年4月)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/h24kaisei.pdf