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2014.02.05

減価償却制度の変遷について

 すべての企業に関係する減価償却制度は「日本は国際的に償却スピードが遅すぎる」ということで、平成19年に抜本改定されました。ところが今では、日本は世界最速のスピードになってしまい、「もう少しペースを戻してもいいのでは?」というのが平成23年度税制改正の趣旨です。

 具体的には、定率法の中身の見直しであり、今回は250%定率法から200%定率法へ改正となった内容をお話ししていきます。

平成23年度税制改正での改正内容

1)200%定率法の導入
 定率法の償却率が、定額法の償却率の2.5倍から2倍(200%定率法)に引き下げられました。

2)適用時期
 平成2441日以後に取得をした減価償却資産について適用されます。

3)適用関係
 定率法を選択している減価償却資産についての適用関係です。

取得事業供用の日 適用される償却率
平成19年4月1日~平成24年3月31日 250%定率法
平成24年4月1日以後 200%定率法

200%定率法の導入

 従来の定率法の償却率は定額法の償却率の2.5倍に設定されています。例えば、法定耐用年数が5年の場合の定額法の償却率は「0.200」、同じ耐用年数の定率法の償却率は、その2.5倍「0.500」となります。

 2.5倍ということは、つまり250%であり、この倍率が2.0倍(200%)に改正されたのです。

 上記の例で言えば、改正後の定率法の償却率は「0.400」ということになります。償却率が低くなったからといって償却される金額が全体としては少なくなるわけではありません。

 これの意味するところは、償却される金額が償却期間において平準化されて、最初に費用になる金額が少なくなるということです。

適用時期と適用関係についての経過措置

 適用時期と適用関係については当時、会社の事務負担を考慮して次の2つの経過措置が設けられました。

経過措置(1)

 平成2441日より前に開始して、かつ平成2441日以後に終了する事業年度については、平成2441日以後に取得した減価償却資産も250%定率法の償却率を適用することができます。

 原則的な償却方法を用いると、平成2441日前に取得した資産に対しては250%定率法、同日以後取得した資産に対しては200%定率法を採用することとなり、同一事業年度内で償却率の異なる資産が生じることとなり、処理が煩雑になります。

 この経過措置を適用することにより、同一事業年度内で2つの定率法の償却率が適用されることによる事務負担の軽減を図ることが出来ます。

 なお、この特例措置は法人が任意に選択することができます。

経過措置(2)

 現在250%定率法の償却率を採用している減価償却資産については、平成24年4月1日以後最初に終了する事業年度の申告期限までに届出をすることで、当初の耐用年数で償却を終了することができます。

 この経過措置は、経過措置(1)と同様に法人の事務負担を考慮して設けられています。

 従来から所有している減価償却資産全てについて改正後の200%定率法を適用することで償却率の統一が図られます。

 ただし、この経過措置が適用できるのは、平成1941日から平成24331日までに取得した資産であり、平成19331日以前に取得した資産については、従来通りの旧定率法で償却することになります。

 なお、届出書の提出期限は、平成24年4月1日の属する事業年度の確定申告書の提出期限となります。



 今回は簡単に減価償却制度の変遷について触れてみましたが、より具体的な計算方法や償却資産についてのご質問等は、井手税理士・総合会計事務所へお気軽にご相談ください。