お役立ち!コラム

2013.12.24

『所得税の扶養』と『社会保険の扶養』

年末調整の時期が参りますと、

「奥さんがパートの仕事をされていますが、『扶養』に入れていいのでしょうか?」
「雇用保険の給付金を受給していますが『扶養』でも大丈夫でしょうか?」

等という質問をよく受けます。世間一般で『扶養』と呼ばれているものには大きく考えて、

1)税金の扶養 と 2)健康保険・年金の扶養 の2種類があります。

まず、税金の扶養と健康保険・年金の扶養は全く別のものであるという理解が必要です。税金の所轄は国税庁(財務省)で、健康保険・年金の所轄は社会保険庁(厚生労働省)です。つまり異なる制度だということです。

今回は、税金(所得税)と 健康保険・年金(社会保険)、その違いについてご説明していきたいと思います。

扶養に入る条件 ― その1.扶養の範囲

所得税

1)配偶者(内縁関係の人は該当しません)、親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。

2)納税者と生計を一にしている。

3)青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

4)その年の1231日現在の年齢が16歳以上である。

『生計を一にする』とは … 必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、『生計を一にする』ものとして取り扱われます。なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、『生計を一にする』ものとして取り扱われます。 (所基通2-47)

社会保険

1)配偶者・直径尊属(父母・祖父母など)・子、孫及び弟妹

 … 被保険者と同居している必要はない

2)上記以外の3親等以内の親族(兄姉、伯叔父母、甥姪とその配偶者など)・内縁関係の配偶者の父母及び子(当該配偶者の死後、引続き同居する場合を含む)

 … 被保険者との同居が必要である

3)被保険者により主として生計を維持されていること。

扶養に入る条件 ― その2.収入

所得税

1)年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与所得でいうと、1月~12月の1年間の給与収入が103万円以下)。

雇用保険の給付金は非課税ですので収入の中に入りません。

社会保険

1)年間収入130万円未満60歳以上又は障害者の場合は、年間収入180万円未満)であること。

○ 年間収入とは、過去における収入のことではなく、扶養されることになった時点での年間の見込み収入額のことをいいます。(給与所得等の収入の場合、月額108,333円以下。雇用保険の給付金等の受給の場合、日額3,611円以下。)

○ 所得税では非課税対象となる雇用保険の給付金、障害年金、遺族年金、傷病手当金、出産手当金等収入に含まれます。 

2)同居の場合は、収入が扶養者(被保険者)の半分未満であり、別居の場合は、収入が扶養者からの仕送り額未満であること。

(注)収入が扶養者の半分以上の場合であっても、年金機構が総合的に勘案して被扶養者と認められる場合もあります。


 以上、所得税と社会保険での『扶養』について随分違いがあることが分かったと思います。
考え方としては、所得税はその年、1年間の合計所得で判断し、社会保険は現時点での収入の見込みにより判断するということです。

尚、今までの説明では、被保険者の健康保険が「社会保険事務所(年金事務所)」の健康保険である場合の基準でしたが、被保険者の会社が「健康保険組合」に所属している場合、運営状況によって扶養の認定に違いがある場合もあるようですので、ご確認をお願いいたします。