お役立ち!コラム

2013.11.19

外注労務費にかかる消費税

平成2641日より消費税が8(国税6.3%、地方税1.7%)へと引き上げになります。また、その後も10%への引き上げが予定されていますが、中小企業がその税率をうまく売上に転嫁できるかどうか?が経営の重要ポイントのひとつとなります。

というのも、500円弁当や100円のコインロッカーなどワンコイン商売は税込価格で販売していますが、税率の上がった分を売上に転嫁できなければ、結局、利益の中から補てんしなければならない事態となるからです。また、取引先等から商品の買いたたき等により消費税の転嫁が難しい場合もあります。

このような場合は、平成25101日に施行された「消費税転嫁対策特別措置法」により消費税の転嫁を阻害する行為から守られます。詳しくは、次回のコラム(125日予定)でお伝えいたします。 

さて今回は、先日、税務調査であった「外注労務費にかかる消費税」について取り上げます。以前から、よくあがる論点ですが、建設業関係の方は特に気をつけたいところです。

調査官との話の中で、「近年の法人税率は減税傾向であり、今後は消費税と相続税が増税となるため、調査対象税目も徐々に消費税や相続税に重点をおいていくでしょうね。」との事でした。

 今回のケースでは、A建設株式会社で一人親方の大工さん(個人事業者)への支払いを「外注労務費」として課税仕入れで処理していた点を重点的に確認されました。


1)大工さんからの請求方法(A建設からの発注、支払い方法)

2)現場での作業内容(材料支給を伴うか?工具はどちら持ちか?)

3)大工さんの兼業の有無(A建設だけの仕事をしていないか?)

4)A建設には週何日出勤しているか?

5)仕事の作業指示はどのようにしているか?



 などです。
ここでポイントとなるのが「雇用契約にもとづく役務提供」なのか?「請負契約にもとづく役務提供」なのか?の判断です。

たとえば、社会保険料の負担を軽減する等の目的のために、形式的に従業員との雇用契約を解除して、一人親方として独立させ、従来通りの勤務と何ら変わらない場合は、実質的に雇用契約とみなされ労務費(給与所得)と判定されます。そうなると、単なる人件費ですので当然、消費税は不課税仕入れとなります。また、残業手当や賞与的な性格の支給があれば当然、労務費とみなされます。 

今回は、内容について詳しく触れませんが「雇用契約」か「請負契約」かの判断がグレーゾーンとなりました。

基本的には、雇用契約等に基づく出来高払いの給与を対価とする役務の提供であるのか、請負による報酬を対価とする役務の提供の対価であるのかで両者を区分しますが、その区分が明確でない場合には、次の各事項を総合勘案して判定するものとされています。 



1)その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。

2)その役務の提供に当たり事業者の指揮監督命令を受けるかどうか。

3)まだ引き渡しを完了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合においても、その個人が権利としてすでに提供した役務に係る報酬を請求することが出来るかどうか。

4)その役務の提供に係る材料や用具等を提供されているかどうか。 



 この4つを総合的に判断されることになりますので、慎重に対処したいものです。

大工さんが材料持ちで現場に行かれる場合は問題なく課税仕入れとなりますが、そうでない場合は、いろいろな視点からの総合判断となってきます。「うちは大丈夫かな?」とご心配があられる方は、ご相談ください。