お役立ち!コラム

2013.10.21

パート収入の税金と配偶者控除と社会保険

年末調整の時期が近づき、生命保険の控除証明書なども届き始めているようです。

この時期、パートで働く主婦にとって気になるのは、自分の収入がいくらまでなら所得税や住民税がかからないのか、また夫の配偶者控除が受けられるのか、社会保険ではいくらまでなら扶養に入られるのか?ということでしょう。今回は、この3つの問題についてまとめてみました。

1.年収がいくらまでなら、税金はかからないのか?

〈所得税の場合〉

通常、パートの年収が103万円以下で他に収入がなければ、所得税はかかりません。所得税の場合、給与収入から給与所得控除65万円と基礎控除38万円との合計103万円が収入から控除され、残った金額に税金がかかります。


〈住民税の場合〉

 住民税には、均等割と所得割の2種類があります。標準課税率は所得割が10%(都道府県民税4%・市町村民税6%)です。

通常、パートの年収が100万円以下で他に収入がなければ、住民税所得割はかかりません。住民税の所得割の場合、給与収入から給与所得控除65万円と住民税の非課税限度額の合計100万円が収入から控除され、残った金額に税金がかかります。

 ただし、市町村によっては、100万円以下でも住民税がかかる場合があります。住民税の所得割については、年収100万円以下であればかかりませんが、均等割については市区町村で違ってきます。市区町村によっては、93万円を超えるとかかる場合があります。

 例をあげると熊本市であれば、年収95万5千円で均等割額(市民税年額3,000円 税額1,500円)合わせて4,500円かかります。 

2.いくらの収入なら夫の扶養家族の枠内におさまる?

妻のパート収入が103万円以下であれば、夫の所得から38万円の配偶者控除を受けることができます。

 妻のパート収入が103万円を超えると配偶者控除を受ける事ができなくなりますが、パート収入が141万円未満で、夫の合計所得金額※が1,000万円以下であれば、夫自身の所得から配偶者特別控除を受けることができます。配偶者特別控除については、その合計所得金額に応じて段階的に控除される金額が決まります。

 合計所得金額とは… 合計所得金額 = 収入 - 必要経費 【給与所得の場合】… 給与収入 - 給与所得控除


                      出所:TKC事務所通信 平成22年11月号

3.いくらの収入なら社会保険の扶養家族の枠内におさまる?

妻のパート年収が130万円以上になると、夫の社会保険(被扶養者)からはずれます。

この場合、社会保険もしくは国民健康保険や国民年金の第1号被保険者に加入しなければならない為、保険料の負担がざっくり計算して社会保険料で20万円、国民健康保険・国民年金で25万円以上くらいはかかると思われます。

 保険料を差し引くと、手取り収入を増やすにはおおよそ年収160万円以上が必要です。

 しかし、130万円未満にかかわらず、勤務先が社会保険の適用事業所であれば、1日の労働時間が社員の概ね3/4以上で1ヶ月の勤務日数が正社員の概ね3/4以上であれば、社会保険加入の義務があります。

 また、2016年(平成28年)からは短時間労働者の厚生年金・健康保険の適用拡大に伴い、週20時間以上労働で、年収106万円以上で社会保険加入となる可能性がでてきました。

これからの社会保険の適用拡大の動向にも気を留めておきたいですね。

 また社会保険に加入することのメリットも忘れてはいけません。社会保険に加入していれば老齢厚生年金で、将来受け取る年金額がプラスになりますし、傷病手当金や出産手当金などもあります。傷病手当金は、病気や怪我で働くことができない時、出産手当金は産前産後で仕事ができない間、おおよそ賃金の2/3が支給されます。

4.まとめ

妻のパート収入が、   93万円超  住民税均等割がかかる市区町村がある
100万円超  住民税所得割・均等割がかかる
103万円以下 夫の配偶者控除が受けられる
103万円超  夫の配偶者特別控除が受けられる
130万円未満 夫の社会保険の扶養家族になれる
141万円以上 夫の配偶者特別控除がなくなる

あと、気をつけていただきたいのが、夫の会社の給与に扶養手当(配偶者手当)などがある場合には、会社規定により条件が違いますので、注意が必要です。その規定の収入を超えると毎月の手当分が夫の収入減になりますので、気をつけてください。 

パート収入は扶養範囲内がいいのか?社会保険の扶養家族範囲内がいいのか?は、それぞれの家族で、いくら収入が必要なのか?夫がサラーリマンなのか自営業なのかによっても違ってきます。

先ほど社会保険の扶養家族について説明しましたが、夫が自営業の場合は、国民健康保険・国民年金に加入です。国民健康保険・国民年金の扶養家族などはありません(国民健康保険税は世帯主に課せられる市町村民税ですので扶養という考え方は存在しません)ので、自身で負担することとなります。そうなると、社会保険に加入した方がよい場合もあります。

いろいろなケースによって違ってくると思います。また、子育て中の主婦にとっては働く時間に制限がある場合もあるかと思われます。家族間で十分話し合い、勘案することが必要ではないでしょうか。