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2013.08.05

「中小企業の会計に関する指針」と「中小企業の会計に関する基本要領」の違いとは?

 中小企業の会計基準として、「中小企業の会計に関する指針」「中小企業の会計に関する基本要領」がありますが、今回はこの2つの会計基準の違いについて、簡単にまとめてみました。

. 目的・考え方

【中小企業の会計に関する指針】
(以下、「中小指針」)

株式会社は、会社法により、計算書類の作成が義務付けられています。

中小企業会計に関する指針は、中小企業が拠ることが望ましい会計処理や注記等を示すものです。

とりわけ、会計参与設置会社が計算書類を作成する際には、本指針に拠ることが適当であるとされています。

【中小企業の会計に関する基本要領】
(以下、「中小会計要領」)

中小企業が会社法上の計算書類等を作成するための会計処理や注記等を示すものです。

また、中小企業を対象に実態に即した会計処理のあり方として、以下の考えに立って作成されたされたものです。

・自社の経営状況の把握に役立つ会計
・金融機関、取引先、株主等への情報提供に資する会計
・会計と税制の調和を図った上で、会計計算規則に準拠した会計
・計算書類等の作成負担は最小限に留め、中小企業に過重な負担を課さない会計

. 経緯

【中小指針】

平成146月に中小企業庁が「中小企業の会計に関する研究会報告書」を発表しました。

それに応えて平成1412月に日本税理士会連合会が「中小会社会計基準」を、平成156月に日本公認会計士協会が「中小会社の会計のあり方に関する研究報告」をそれぞれまとめました。

本指針は、これら3つの報告を統合するものとして、平成178月に公表されました。

その後、平成184月に、会社法施行規則及び会社計算規則の制定に伴い見直しが行われました。

【中小会計要領】

平成232月、中小企業関係者等が主体となり、金融庁及び中小企業庁が事務局となって「中小企業の会計に関する検討会」及び「同ワーキンググループ」を設置。

平成242月、「中小会計要領」発表。

. 利用対象・利用想定

【中小指針】の利用対象

以下を除く株式会社です。

1)金融商品取引法の適用を受ける会社並びにその子会社・関連会社

2)会計監査人を設置する会社及びその子会社

【中小会計要領】の利用想定

以下を除く株式会社です。

1)金融商品取引法の規制の適用対象会社

2)会社法上の会計監査人設置会社

. 水準

【中小指針】

本指針は、一定の水準を保ったものとする。

【中小会計要領】

一定の水準を保ったものとされている「中小企業の会計に関する指針」に比べて簡便な会計処理

. 特典

【中小指針】

中小指針に準拠して作成される中小企業計算書類について、税理士等により中小指針の準拠を確認するチェックリストが提出された場合、信用保証協会の保証料率の割引があります。(中小企業庁より)

※ただしチェックリストの全項目が中小指針に準拠していることをもって割引制度を適用

【中小会計要領】

平成242月に策定された「中小会計要領」(中小企業向けの会計ルール)普及のため、平成254月から3年間、「中小会計要領」を会計ルールとして採用する中小企業の信用保証料の割引制度があります。(中小企業庁より)

本割引制度の対象となる信用保証制度は、一般の保証などの責任共有制度対象かつ料率弾力化された保証(特定社債保証、一括支払契約保証を除く)です。セーフティネット保証等、特定の政策目的により設けている保証制度は対象外となります。

. 国際基準との関係

【中小指針】

国際基準とのコンバージェンス等による企業会計基準の改定を勘案している。

【中小会計要領】

安定的に継続利用可能なものとする観点から、国際会計基準の影響を受けない

― まとめ ―

 中小指針は、会計の専門家が役員に入っている会計参与設置会社が適当とされているように一定の水準を保った会計処理を示したものですが、中小会計要領は中小指針よりも簡便なものとされています。

 また、国際会計基準との関係では、中小指針では国際会計基準の改訂の影響を受け、それに伴い改定を行っています。中小会計要領では安定的な継続利用を目指し、国際会計基準の影響を受けないとされているように、大きく違っています。

 中小会計要領の方が、小規模な中小企業向けに経営者が把握・活用しやすくできていると言えます。
どちらの会計ルールを利用するにしても、自社の財務状況を把握する事が必要です。

 まずは自計化自社でパソコンソフトを利用して経理をする事)をして、財務経営力を高めましょう!
 自計化のご相談は井手税理士・総合会計事務所まで、お気軽にお問い合わせください。